不動産投資をする上で絶対に見逃せないのが日本で開催されるオリンピックです。2017年の年が明け、2020年の東京オリンピックまであと3年と迫ってきました。
東京オリンピックといえば、滝川クリステルさんの「おもてなし」スピーチがとても印象的でした。私も東京オリンピック招致については非常に興味を持って見ていて、最終プレゼンでは大きな感動を与えられた一人です。
高円宮妃久子さまの東日本大震災に対する各国支援への感謝、パラリンピアン佐藤真海さんやフェンシング太田雄貴さんといった現役アスリート、安倍首相のスピーチなど、世界の人々の心を打ったからこその招致につながったはずです。
中でも私が最も素晴らしいと思ったのは「おもてなし」について語った滝川クリステルさんのスピーチでした。実は滝川クリステルさんのスピーチには不動産投資を考える上でも興味深い言葉があったのです。
滝川クリステルさんはフランス語でスピーチを行いましたが、日本語に翻訳した中で次のようなことを説明している一節があります。
皆様が何か落とし物をしても、きっとそれは戻ってきます。お金の入った財布でも、昨年1年間だけで3000万ドル以上も現金が落とし物として警察に届けられました。世界各国の旅行者7万5000人への最新のアンケートでも東京は世界一安全な街とされました。公共交通機関も世界一しっかりしていて、町中が清潔で、タクシーの運転手も世界一親切。世界最高峰のレストラン、ミシュランガイドでは世界一星の数が多い東京。それら全てが未来を感じられる街を彩っています。
「東京は世界一安全な街」であり、「未来を感じられる街」でもあるというのは日本人にとっても、また世界中の人にとっても強い印象をもたらす言葉だったのではないでしょうか。
しかし日本人としてオリンピック開催を喜ぶのと同時に、不動産投資をしている身からすると、こうした東京のアピールは見逃せません。なぜなら2008年の北京オリンピックが開催された際、北京エリアの不動産価格が高騰した前例があるからです。
東京オリンピックの主要施設は湾岸地域を中心としており、すでに3000億円を超えるプロジェクトが進行中です。その影響で湾岸エリアの新築・中古分譲マンションの需要や価格が高まっていたり、ほかにも神宮外苑エリアや品川周辺の地価も上昇しているのです。そして、こうした高騰の背景には先ほど触れたような北京オリンピックの経験から東京エリアの不動産購入をする中国人投資家の動きもあります。
オリンピック招致によって不動産価格が上昇している一方で、オリンピック開催後に不動産の相場が下落するという見方も多く出ています。限定的なものかどうかはまだわかりませんが、現在上昇している価格がオリンピック後に下落するならば住宅の購入を考えている方にとっては絶好の購入機会となる可能性があります。
また、オリンピック前に行われる2018年度の法人税引き下げにより法人税が20%台になれば、節税の観点から企業の不動産取得の需要にはかなりの追い風になります。このような様々な要素から不動産相場を見極め、適切な投資を行っていきたいですね。