「新築・中古・築浅どれがいい?」でもそれぞれのワンルームマンションのメリットとデメリットについてお話ししましたが、今回は特に新築ワンルームマンションの投資で失敗しやすい理由を掘り下げてみたいと思います。
東京のワンルームマンションの需要は未だに高い水準を保っています。その理由には学生の新入生や新社会人が東京に流入することが挙げられます。これらの流入は定期的に起こりますから、需要が安定しているのです。
加えて、フルローンで持ち出しなしのシミュレーションの例もあるため、始めやすく魅力があるのも新築のワンルームマンション投資に人気がある理由でしょう。
しかし、ここで注意しなければならないポイントがあります。新築ワンルームマンション投資は頭金0円、持ち出し金も月1万円程度で可能なことが多いですが、「新築」というプレミアム感には警戒しなければなりません。
自分自身が、あるいは家族で購入するのであれば「新築」は非常に魅力的です。新築の一戸建てと中古の一戸建てでも、価格や瑕疵などの差があるにせよ新築を真っ先に購入の候補として考える方は多いです。これには不動産知識のあるなしとは別に、無条件に中古より新築を好む心理があるようにも感じられますね。
実際に新築ワンルームマンションであれば中古ワンルームマンションの相場より高い賃料でも入居者が決まりやすいというメリットがあることは「新築・中古・築浅どれがいい?」で説明しましたね。ですがこれはあくまで1人目の入居者に限ったことで、2人目以降は中古の家賃相場になることは覚えておかなければいけません。
また、新築であっても登記された時点で市場評価は中古扱いとなってしまいます。ワンルームマンションだと築2、3年でも不動産マーケットに流通すると分譲価格の70%程度の価格になっています。
加えてマンションの投資は長期的なものなので、新築ワンルームマンションに投資をしてローンを組んだとして、ローンを払い終わるのは20年後、30年後の話です。そうなれば当然新築のワンルームマンションは築20年、30年の中古ワンルームマンションになっているわけです。
もちろんローンを払っている間、近所にワンルームマンションが建っていけば価格も下がります。ワンルームマンションの供給数はファミリータイプなどと比べると多く、競走が激しいため価格の変動は避けられないかもしれません。それならば中古のワンルームマンションを買い換え続けた方がいいのでは、という考え方もあるのです。
新築ワンルームマンション投資を行う場合、こうした価格の変動を考慮に入れた上で「新築プレミアム」に惑わされないようにしましょう。